- 「リーバイス501の年代を見分けたい」
- 「ヴィンテージについて詳しくなりたい」
こんな方へ向けて書いています。
筆者の僕は、現役の古着屋店員です。これまで数多くのヴィンテージを見分けてきました。
リーバイス501といえば、世界一有名なジーンズの名称。
1890年、Levi’s社がメインで生産していたジーンズに、「501」というロットナンバー(品番)を付けました。
海外セレブが好んで穿いていたり、ヴィンテージ品には数百万円の価値が付いたりすることも。
ヴィンテージのリーバイスを再現した復刻ライン「LVC」も人気が高く、古着が苦手な方にもオススメです。
※ヴィンテージと比べてお手頃価格なのも◎
そんなリーバイス501の年代の見分け方を徹底解説していきます。
この記事を読めば、ヴィンテージリーバイスにめちゃくちゃ詳しくなれます。
参考書籍
関連記事
- リーバイス501ヴィンテージの見分け方【年代判別】
- 【1873年〜1900年】世界最古のジーンズ
- 【1901年〜1921年】バックポケットが2つに
- 【1922年〜1935年】ベルトループの登場
- 【1936年〜1941年】赤タブ爆誕
- 【1942年〜1946年】大戦モデル
- 【1947年〜1952年】47モデル
- 【1953年〜1954年】両面タブ
- 【1955年〜1962年】ギャラ入り紙パッチ
- 【1962年〜1965年】ギャラ無し紙パッチ
- 【1966年〜1967年】ダブルネーム
- 【1967年〜1969年】タイプ物
- 【1970年〜1973年 】ビッグE後期
- 【1973年〜1976年】66前期
- 【1977年〜1979年】66後期
- 【1980年〜1986年】赤耳、脇割り、ハチマル
- 【1987年〜2003年】レギュラー
- 【2003年〜】USA製が終了
- 【最新版】リーバイス501年表
- まとめ
リーバイス501ヴィンテージの見分け方【年代判別】
具体的な数字(年)を入れて、他サイトや雑誌に書かれていない細かいディテールにもフォーカスしました。
断言します。1ページにここまで詳しくまとめたサイトは他にありません。
では、1873年から現代までのタイムトラベルをお楽しみください。
【1873年〜1900年】世界最古のジーンズ
1853年の創業からジーンズ(最初は作業用パンツ)を作り続けているリーバイス。
幾度もの戦争や災害を乗り越えた「最古のジーンズ」には、最も高い希少価値があります。
こちらは1879年頃のものと推定されている、世界最古のジーンズのひとつです。
現在、リーバイスアーカイブに保管されています。
シンチが後ろに付いている状態を「シンチバック」といいます。
スナップボタンが後ろに付いているキャップを「スナップバックキャップ」と呼んだりしますよね。
ちなみに写真のジーンズは、厳密には「501」ではなく「XX(ダブルエックス)」という名前です。
501というロットナンバーは1890年から使われるようになったからです。
「XX」とは、当時もっとも重厚だった9オンスのデニム、通称「XXデニム」を使用したジーンズのことです。
最初期の革パッチは文章のみ
革パッチは1870年代から付けられていますが、1885年までは文章のみが記載されていました。
↓1886年からは、ツーホースマークが描かれた革パッチが使われるようになります。
2頭の馬が引っ張り合ってもちぎれないらしい…。
リベットの刻印による年代判別方法
1873年5月20日、リーバイス創設者のリーバイ・ストラウスとジェイコブ・デイヴィスは「金属リベットによる衣服の補強方法に関する特許」を取得しました。
ジーンズが誕生した日です。
リベットに特許取得年月「PAT. MAY 1873 LS&CO. SF」の刻印があれば、1873年5月20日以降のものであると断定できます。
その後、1890年に特許の期限が切れたため「L.S. & Co. – S.F. -」の刻印に変わります。
そもそも特許に期限とかあるんだ。
そうみたいだね。ちなみにリベットは銅製らしいよ。
おさらい
- 「PAT. MAY 1873 LS&CO. SF」:1873年〜1890年
- 「L.S. & Co. – S.F. -」:1890年以降
バックポケットは1つ(片ポケ)
1901年頃からバックポケットが2つになります。
なので、バックポケットが1つだけなら1900年以前のものと推定できます。
バックポケットが1つの状態を「片ポケ」と呼びます。
その他のディテール
- 赤タブ無し
- セルビッジ有り
- 股リベット有り
- 剥き出しリベット
- カモメステッチ
- 社名なし格子柄のフライボタン
- 頭潰しの打ち抜きリベット
↑のちほど順を追って解説します。
〜1900年まとめ
- 文章のみの革パッチ→1885年以前
- ツーホースマークの革パッチ→1886年以降
- 「PAT. MAY 1873 LS&CO. SF」のリベット→1873年〜1890年
- 「L.S. & Co. – S.F. -」のリベット→1890年以降
- バックポケットが1つ→1900年以前
復刻あります
リーバイス公式より、1890モデルの復刻が販売されています。
定価:52,800円
ヴィンテージ参考価格:6,300,000円(MARVIN’S)
詳しくは「リーバイス501は復刻版を買うべき4つの理由【LVC】」へどうぞ。
【1901年〜1921年】バックポケットが2つに
1900年以前との最も大きな違いは、バックポケットです。
1901年頃より、バックポケットが2つになります。
この仕様は現在でも変わっていません。
また、1915年から「コーンミルズ社」のデニム生地を使い始めました。
では、この辺りで細かいディテールの説明をしていきます。
アーキュエイトステッチは1本針の通称「カモメステッチ」
まずは、アーキュエイトステッチ。
1873年、バックポケットの裏側に補強布を縫い付けるために考案されました。
1943年頃までのアーキュエイトステッチは、1本針で縫製されています。
この頃のアーキュエイトステッチは、表情の違いを楽しむことができます。
左右非対称だったり、線の角度に個体差が大きかったりするからです。
そのため、リーバイス社は1943年に商標登録をしました。
フライボタン(スモールボタン)は社名なしの格子柄
1926年までは、社名が入らない格子柄のフライボタンが使われています。
フライボタン(スモールボタン)って?
トップボタン以外のフロントボタンのことだよ。
股リベット(クロッチリベット)
1941年までは、股リベット(クロッチリベット)が付いています。
股部分の補強のために付けられた、銅製のリベットです。
1941年頃まで使われていました。
続いては、股リベットを含むすべてのリベットに関する特徴です。
頭潰しの打ち抜きリベット
「頭潰し」という技術で先端が潰されており、「打ち抜き」と呼ばれる作りのリベットが使われています。
頭潰しは、馬の鞍やイスを傷つけないためだったり、リベットを外れにくくするための技術です。
頭潰しは、1873年〜1920年代までのディテールです。
また、1946年までは「o」が小文字という特徴があります。
1890年〜1920年代のリベットの特徴
- 頭潰し
- 打ち抜き
- 「L.S. & Co. – S.F. -」小文字の「o」
セルビッジ
最後は、セルビッジです。
アウトシーム(足の外側の縫い目)の内側に付いています。
このセルビッジが付いたデニムを「セルビッジデニム」といいます。
それじゃ「赤耳」って何のこと?
赤い糸が入ったセルビッジのことだよ。
その他のディテール
- 赤タブ無し
- ツーホースマークの革パッチ
- 剥き出しリベット
- ベルトループ無し
- サスペンダーボタン&シンチ有り
1901年〜1921年まとめ
- バックポケットが2つ→1901年以降
- 社名なしの格子柄フライボタン→1921年以前
- 「L.S. & Co. – S.F. -」頭潰しの打ち抜きリベット→1890年〜1920年代
【1922年〜1935年】ベルトループの登場
1922年〜1935年のリーバイス501は、通称「1922モデル」と呼ばれます。
生地が「コーンミルズ社の12.5オンスデニム」に統一されたのも1922年からです。
1922年頃より、ベルトループが付くようになります。
これは当時にベルトの普及率が高まった証拠で、それまではサスペンダーが主流でした。
ベルトループの有無がヴィンテージウェアの年代を判別するひとつの基準にもなります。
ライトオンスのベルトループ
1922年〜1930年代は、本体のデニムよりもライトオンス(軽い)のデニムが使われています。
あくまでベルトはサスペンダーの補助的な役割と考えられていたのか、強度が低い作りでした。
フライボタンに社名があれば後期型
これまでのフライボタンは「社名なしの格子柄」でした。
1927年頃から、フライボタンに「LEVI STRAUSS & CO」の社名が入るようになります。
- 社名なしボタン:1926年以前=前期型
- 社名入りボタン:1927年以降=後期型
リベットの「頭潰し」がされなくなる
1922年頃より徐々に、リベットの「頭潰し」がされなくなります。
以前までは先端が潰されて平たくなっていましたが、丸みを帯びた形になっています。
※頭潰しリベットが付いている1922モデルもあります。
工場ごとに差があったり、移行期間が長かったりしたと考えられます。
1922年〜1941年のリベットの特徴
- 頭潰し無し
- 打ち抜き
- 小文字の「o」
補足:シンチの刻印「SOLIDE」
戦前までに多く見られる「SOLIDE」の刻印が入った2本針シンチ。
フランスのメーカーのものです。
リーバイスだけでなく、さまざまなメーカーの衣類に使われていました。
ヴィンテージのベストでもよく見かけますね。
その他のディテール
- 赤タブ無し
- ツーホースマークの革パッチ
- セルビッジ有り
- 股リベット有り
- 剥き出しリベット
- サスペンダーボタン&シンチ有り
- カモメステッチ
1922年〜1935年まとめ
- ベルトループが付く→1922年以降
- ライトオンスのベルトループ→1922年〜1930年代
- 社名なしのフライボタン→1926年以前
- 社名入りのフライボタン→1927年以降
- 頭潰し無しの打ち抜きリベット(小文字「o」)→1922年頃〜1941年
【1936年〜1941年】赤タブ爆誕
1937年〜1941年のリーバイス501は、通称「37モデル」と呼ばれます。
なぜか1936年だけ仲間外れ…
1936年より、右バックポケットに赤タブが付きます。
赤タブは、他のブランドのジーンズと区別するために考案されました。
たしかに赤色が目立っていて、とても分かりやすいですよね。
- タブのオモテ面のみに文字があることから、片面。
- 「LEVI’S」の「E」が大文字であることから、ビッグE。
あわせて「片面ビッグE」と呼ばれます。
いずれ両面になるってこと?
そのとおり。1952年頃から両面に変わるんだよ。
サスペンダーボタンの廃止
1937年より、サスペンダーボタンが廃止されます。
これは前述のとおり、ベルトの普及率が高まり、サスペンダーの使用率が低くなっていった証拠です。
もし「赤タブが付いていて、サスペンダーボタンも付いている」ものがあれば、1936年ジャストだと推定できますね。
- 赤タブ採用:1936年
- サスペンダーボタン廃止:1937年
隠しリベットの採用
1937年より、バックポケットの留め方として、銅製の「隠しリベット」が採用されます。
これまでは、「剥き出しリベット」と呼ばれる、オモテからリベットを打ち込んで留める方法でした。
しかし、座る際にイスなどを傷つけるため、剥き出しのリベットをデニム地で覆う「隠しリベット」という手法に変更されました。
フロントVステッチ仕様に
1936年頃より、トップボタン付近のステッチがV字になる、通称「Vステッチ」が施されるようになります。
これは1968年頃までのディテールです。
※補足:ウエストトップがシングルステッチのため、「ウエストシングル」と呼ばれることもあります。
ウエストシングルは創業当初からのディテールです。
- ウエストシングル:創業当初〜1968年
- Vステッチ:1936年〜1968年
その他のディテール
- ツーホースマークの革パッチ
- セルビッジ有り
- 股リベット有り
- ベルトループ&シンチ有り
- カモメステッチ
- 社名入りのフライボタン
- 頭潰し無しの打ち抜きリベット(小文字「o」)
1936年〜1941年まとめ
- 赤タブ採用→1936年以降
- 赤タブが片面ビッグE→1936年〜1952年頃
- サスペンダーボタン廃止→1937年以降
- 銅製の隠しリベット→1937年〜1941年頃
- フロントVステッチ→1936年〜1968年頃
復刻あります
リーバイス公式より、1937モデルの復刻が販売されています。
定価:38,500円
ヴィンテージ参考価格:3,300,000円(ACORN)
詳しくは「リーバイス501は復刻版を買うべき4つの理由【LVC】」へどうぞ。
補足:リジッドとは?
カッチカチのやつだね。
【1942年〜1946年】大戦モデル
1942年〜1945年のリーバイス501は、通称「大戦モデル」と呼ばれます。
(※1946年はすこし特別。のちほど解説します。)
第二次世界大戦の影響により、1942年頃から徐々に、物資統制による製品の簡素化を余儀なくされます。
「戦争に使う物資が足りないから無駄は省け」ってことですね。
501XX→S501XXへ
1942年頃より、「501XX」の先頭に「S」が付くようになります。
「S」とは、「Simplified=簡素化された」という意味。
1946年頃までのディテールです。
シンチバックの廃止
1942年頃より、シンチバックが廃止されます。
物資統制の影響もありますが、ベルトを使うことが一般的になり、シンチが不要になったことが大きいと考えられています。
股リベットの廃止
同じく1942年頃より、股リベットが廃止されます。
本来は股部分の補強のために付いていましたが、不要なものとして省かれました。
戦時中だけかと思いきや、股リベットはこのまま姿を消してしまいます。
リベットが鉄製の銅メッキに
1942年頃より、すべてのリベットが銅製から「鉄製の銅メッキ」へ変わります。
同時に、バックポケットの隠しリベットは、丸みを帯びた形に変わります。
磁石が付かなければ銅製です。
この丸みを帯びた形は、1947年頃までのディテールです。
リベットの小文字「o」が大文字「O」に
1942年頃より、リベットの刻印が少しだけ変わります。
小文字だった「o」が、大文字の「O」になりました。
ちなみに大戦中は、無刻印のリベットも存在します。
持ち出しが切りっぱなしなのは大戦モデルまで
「持ち出し」と呼ばれるフライ部分の先端が切りっぱなしになっています。
これは1946年以前のものであることを示しています。
月桂樹ボタンやドーナツボタンが付くことも
物資統制による影響がもっとも分かりやすいのが、フロントボタン。
従来の社名入りボタンの他に、市販の月桂樹ボタンやドーナツボタンが使われていることがあります。
幻のペンキステッチ
アーキュエイトステッチの糸でさえも物資統制のために簡素化されました。
糸の代わりにペンキでプリントされています。
幻といっても過言ではないでしょう。
ウォッチポケットのリベットも省略
ウォッチポケットを補強するために付いていたリベットも、一時的に省略されました。
後にも先にも、大戦中だけのディテールです。
代用生地のスレーキ
スレーキ(ポケットの裏地)にヘリンボーンやネル生地が代用品として使われていることがあります。
戦時中は物資がなく、かなり切羽詰まった状態であることが伺える、興味深いディテールです。
紙パッチも存在した
革パッチ以外に、オイルコーティングされた紙パッチが付いているものもあります。
大戦モデルでも後期型に多く見られるディテールです。
12.5オンス→13.5オンスへ(都市伝説)
当時、リーバイスはデニム地のオンスを下げるよう勧告されました。
ところが、あえて12.5オンスから13.5オンスに上げて、簡素化による品質低下を防いだといわれています。
しかしこれは近年、誤情報だったという説もあり、真偽は不明です。
補足:1946年は過渡期
第二次世界大戦は、1945年9月2日に終戦しました。
物資統制が終わり、1946年には簡素化していた部分が以前の仕様に戻っていきます。
必ずしも「このディテールだから○○年」とは言えないことは覚えておきましょう。
その他のディテール
- 片面ビッグEの赤タブ
- セルビッジ有り
- ベルトループ有り
- フロントVステッチ
1942年〜1946年まとめ
- 501XXからS501XXへ→1942年〜1946年
- シンチ廃止→1942年以降
- 股リベット廃止→1942年以降
- 鉄製の銅メッキのリベット→1942年〜1947年頃
- 大文字「O」の打ち抜きリベット→1942年〜1950年
- 丸みを帯びた鉄製の銅メッキの隠しリベット→1942年〜1947年頃
- 持ち出しが切りっぱなし→1946年以前
- 月桂樹ボタンやドーナツボタンの使用→1942年〜1945年
- ペンキステッチ→1942年〜1945年
- リベット無しのウォッチポケット→1942年〜1945年
- 代替生地のスレーキ→1942年〜1945年
復刻あります
リーバイス公式より、1944モデルの復刻が販売されています。
定価:38,500円
ヴィンテージ参考価格:3,666,667円(Capri)
詳しくは「リーバイス501は復刻版を買うべき4つの理由【LVC】」へどうぞ。
【1947年〜1952年】47モデル
1947年〜1952年のリーバイス501は、通称「47モデル」と呼ばれます。
第二次世界大戦が終わり、501も次の時代へ移り変わっていきます。
アーキュエイトステッチが2本針に
大戦中にペンキで描かれていたアーキュエイトステッチは、2本針の糸でグレードアップして復活します。
中央で交差する部分のことを、ダイヤモンドステッチと呼びます。
2本針ミシンによるステッチングの特徴です。
簡素化されていたディテールが復活
1946年頃より徐々に、戦争によって代用or省略されていたディテールが復活します。
- 復活1:社名入りのフロントボタン
- 復活2:ウォッチポケットのリベット
リベットが銅製に戻る
1947年頃より、フロントリベットが銅製に戻ります。
磁石で判別することができ、磁石が付けば銅製、付かなければ鉄製の銅メッキです。
後期型のリベットは文字が大きい
1950年頃より、リベットの文字サイズが大きくなります。
このリベットが付いている47モデルは「47モデル後期型」と呼ばれます。
- 文字が小さく中央寄り:前期型
- 文字が大きい:後期型
隠しリベットがフラットに
これまで、バックポケットには「丸みを帯びた形」の隠しリベットが使われていました。
1948年頃から「フラットな形」の隠しリベットに変わります。
フロントリベットと違い、材質は「鉄製の銅メッキ」のまま変わりません。
持ち出しが切りっぱなしから折り込みへ
持ち出しと呼ばれるフライ部分の先端が切りっぱなしではなくなり、「折り込み」になります。
1947年以降のディテールです。
片面タブは1952年まで
片面ビッグEタブは、1952年までのディテールです。
※1953年から、両面タブに切り替わります。
その他のディテール
- ツーホースマークの革パッチ
- セルビッジ有り
- 股リベット無し
- ベルトループ有り
- サスペンダーボタン&シンチ無し
- フロントVステッチ
1947年〜1952年まとめ
- 2本針のアーキュエイトステッチ→1946年以降
- 社名入りのフロントボタンに戻る→1946年頃
- ウォッチポケットのリベットが復活→1946年頃
- 文字が小さい&大文字「O」のリベット→1942年〜1949年
- 銅製のリベット→1947年〜1953年
- 文字が大きい打ち抜きリベット→1950年〜1962年
- 丸みを帯びた鉄製の銅メッキの隠しリベット→1942年〜1947年
- フラットな形の鉄製の銅メッキの隠しリベット→1948年〜1965年
- 折り込みの持ち出し→1947年以降
- 片面タブ→1952年以前
復刻あります
リーバイス公式より、1947モデルの復刻が販売されています。
定価:38,500円
ヴィンテージ参考価格:1,020,800円(Capri)
詳しくは「リーバイス501は復刻版を買うべき4つの理由【LVC】」へどうぞ。
【1953年〜1954年】両面タブ
1953年〜1954年のリーバイス501は、通称「53モデル」と呼ばれます。
1953年より、片面のみに文字があった「片面ビッグEタブ」から「両面ビッグEタブ」に変わります。
同時に、今まで無かった®マークが付くようになります。
「V」の左右の線の太さが均等なことから、「均等V」とも呼ばれます。
(※のちに「不均等V」へと変化していきます。)
リベットが鉄製の銅メッキに
1953年より、フロントリベットが「鉄製の銅メッキ」に変わります。
写真のように、突起部のメッキが剥がれて、鉄が露出していると分かりやすいですね。
磁石が付くか付かないかでも判別が可能で、磁石が付けば銅製、付かなければ鉄製の銅メッキとなります。
- 〜1941年:銅製
- 1942年:鉄製の銅メッキ
- 1947年:銅製
- 1953年:鉄製の銅メッキ
少しややこしいですが、ここまでのフロントリベットの変遷はこんな感じです。
オフセットセンターループ
1954年頃から、後ろ側センターのベルトループがオフセットになります。
「オフセット=ずらした状態」という意味です。
縫製工場における効率化のためです。
1963年頃までのディテールです。
- 中央に縫われているもの:センターセットループ
- 左にずらして縫われているもの:オフセットセンターループ
その他のディテール
- ホースマークの革パッチ
- セルビッジ有り
- 股リベット無し
- フラットな形の鉄製の銅メッキの隠しリベット
- 2本針のアーキュエイトステッチ
- 社名入りのフライボタン
- 文字が大きい打ち抜きリベット
- フロントVステッチ
1953年〜1954年まとめ
- 均等Vの両面ビッグEタブ→1953年〜1964年
- 鉄製の銅メッキの打ち抜きリベット→1953年〜1962年
- センターセットループ→1953年以前
- オフセットセンターループ→1954年〜1963年
ジッパーフライの復刻あり
リーバイス公式より、1954モデルの復刻が販売されています。
定価:38,500円
ヴィンテージ参考価格:1,099,978円(magnets)
詳しくは「リーバイス501は復刻版を買うべき4つの理由【LVC】」へどうぞ。
【1955年〜1962年】ギャラ入り紙パッチ
1955年〜1962年のリーバイス501は、通称「ギャラ入り」と呼ばれます。
革パッチ→紙パッチへ
1955年より、革パッチから紙パッチへ変わります。
パッチ内の「Every Garment Guaranteed」の記載から、通称「ギャラ入り」と呼ばれます。
1962年頃までのディテールです。
足長Rボタンの登場
1955年より、フライボタンに「足長Rボタン」が使われるようになります。
「R」の左側が長いのが特徴です。
1970年頃までのディテールです。
フロントリベット裏が鉄製の銅メッキなのはこの年代まで
1953年〜1962年頃まで、フロントリベット裏の材質は「鉄製の銅メッキ」です。
その後はアルミ製に変わっていきます。
補足:1962年は過渡期
1962年は、「ギャラ入りorギャラ無し」「フロントリベット裏が鉄製の銅メッキorアルミ製」といったディテールが混在する時期です。
その他のディテール
- 均等Vの両面ビッグEタブ
- セルビッジ有り
- 股リベット無し
- フラットな形の鉄製の銅メッキの隠しリベット
- 2本針のアーキュエイトステッチ
- 文字が大きい打ち抜きリベット
- フロントVステッチ
1955年〜1962年まとめ
- ギャラ入り紙パッチ→1955年〜1962年
- 足長Rボタン→1955年〜1970年
- フロントリベット裏が鉄製の銅メッキ→1953年〜1962年
復刻あります
リーバイス公式より、1955モデルの復刻が販売されています。
定価:38,500円
ヴィンテージ参考価格:547,800円(ACORN)
詳しくは「リーバイス501は復刻版を買うべき4つの理由【LVC】」へどうぞ。
【1962年〜1965年】ギャラ無し紙パッチ
1962年〜1965年のリーバイス501は、通称「ギャラ無し」と呼ばれます。
ちなみに「XX(ダブルエックス)」と呼ばれるモデルは、この年代まで。
紙パッチの変化
1962年より、紙パッチ内の「Every Garment Guaranteed」の記載がなくなります。
そのため、通称「ギャラ無し」と呼ばれます。
被せリベット&裏アルミ製へ
1962年頃から、フロントポケットのリベットが「打ち抜きリベット」から「被せリベット」に変わります。
同時に、リベット裏の材質も「鉄製の銅メッキ」から「アルミ製」へと変化します。
1992年までのディテールです。
- 裏鉄製の銅メッキの打ち抜きリベット:ギャラ入り
- 裏アルミ製の被せリベット:ギャラ無し
センターセットループに戻る
一時的に「オフセット」だったベルトループは、1964年頃から「センターセット」に戻ります。
※「オフセット=ずらした状態」という意味。
「不均等V」の両面ビッグEタブが登場
1965年頃より、「不均等V」のタブが使われるようになります。
「V」の左側が太く、右側が細いのが特徴です。
1973年頃までのディテールです。
その他のディテール
- セルビッジ有り
- 股リベット無し
- フラットな形の鉄製の銅メッキの隠しリベット
- 2本針のアーキュエイトステッチ
- 足長Rボタン
- フロントVステッチ
1962年〜1965年まとめ
- ギャラ無し紙パッチ→1962年〜1969年
- 裏アルミ製の被せリベット→1962年〜1992年
- オフセットセンターループ→1954年〜1963年
- センターセットループに戻る→1964年以降
- 均等Vの両面ビッグEタブ→1953年〜1964年
- 不均等Vの両面ビッグEタブ→1965年〜1973年
【1966年〜1967年】ダブルネーム
1966年〜1967年の”紙パッチにロットナンバーが2つ印字された”リーバイス501は、通称「ダブルネーム」と呼ばれます。
※2つ印字ではないものや、読み取ることができないものは「ビッグE前期」と呼ばれます。
1966年より「XX」の表記が消え、ロットナンバーが「501」となります。
急な変更による混乱を抑えるため、新しいロットナンバーの左上に古いロットナンバーが小さく印字されるようになります。
例えば「501ZXX(501XXのジッパーモデル)」は「502」に変更されました。
501ZXXを買いに来たお客さんは『あれ?502って何?』ってなりますよね。
なので「501ZXX 502」と印字することで対策をしたワケです。
隠しリベットの廃止
1966年にバックポケットの隠しリベットが廃止され、バータック(カンヌキ止め)に変更されます。
写真の黒っぽい糸が「バータック(カンヌキ)」です。
裏側からカンヌキ止めが施されていることから、「裏カンヌキ」と呼ばれます。
(※糸が黒いことから、「黒カンヌキ」とも呼ばれます。ややこしいですが。)
股カンヌキの追加
1966年より、股リベットの代わりに「股カンヌキ」が施されるようになります。
マニアの間では、写真のようにシングルステッチ部分とずれて縫製されたものを、ズレカンと呼んだりします。
その他のディテール
- 不均等Vの両面ビッグEタブ
- セルビッジ有り
- 2本針のアーキュエイトステッチ
- 足長Rボタン
- 裏アルミ製の被せリベット
- フロントVステッチ
- ウォッチポケット裏シングルステッチ
1966年〜1967年まとめ
- ダブルネームの紙パッチ→1966年〜1967年
- 隠しリベット無し→1966年以降
- 股カンヌキ有り→1966年以降
復刻あります
リーバイス公式より、1966モデルの復刻が販売されています。
定価:38,500円
ヴィンテージ参考価格:250,800円(ACORN)
詳しくは「リーバイス501は復刻版を買うべき4つの理由【LVC】」へどうぞ。
【1967年〜1969年】タイプ物
1967年〜1969年の”紙パッチにアルファベットが印字された”リーバイス501は、通称「タイプ物」と呼ばれます。
※アルファベット印字なしのものや、読み取ることができないものは、「ビッグE前期」と呼ばれます。
1967年〜1969年の期間、ロットナンバー上部に「S」や「A」が印字された紙パッチが出現します。
この紙パッチを備えたリーバイスは、通称「タイプ物」と呼ばれます。
アルファベットの謎
印字されたアルファベットは、
- 「振り分けられた工場ライン」
- 「品質管理によるランク付け」
など、さまざまな憶測があります。
ウォッチポケット裏チェーンステッチへ
1968年頃より、ウォッチポケット裏が「シングルステッチ」から「チェーンステッチ」へ変わります。
Vステッチから平行ステッチへ
1969年頃より、トップボタン付近のステッチが「Vステッチ」から「平行ステッチ」へと変わります。
平行ステッチとは、平行に縫われた2本のステッチの通称です。
※同時にウエストトップが「シングルステッチ」から「チェーンステッチ」になるため、「ウエストチェーン」とも呼ばれます。
- Vステッチ=ウエストシングル
- 平行ステッチ=ウエストチェーン
補足:「ビッグE前期」の紙パッチ
写真は、ダブルネームやタイプ物ではない「ビッグE前期」の紙パッチです。
1966年〜1969年には、ダブルネームとタイプ物だけが存在していたわけではないので、ご注意ください。
その他のディテール
- 不均等Vの両面ビッグEタブ
- セルビッジ有り
- 股カンヌキ有り
- 隠しリベット無しの裏カンヌキ
- 2本針のアーキュエイトステッチ
- 足長Rボタン
- 裏アルミ製の被せリベット
1967年〜1969年まとめ
- 紙パッチに「S」や「A」の印字→1967年〜1969年
- ウォッチポケット裏シングルステッチ→1967年以前
- ウォッチポケット裏チェーンステッチ→1968年以降
- フロントVステッチ→1936年〜1968年
- フロント平行ステッチ→1969年以降
【1970年〜1973年 】ビッグE後期
”LEVI’S”のビッグEタブが付く最後のモデル。
そのため「ビッグE後期」や「最終ビッグE」と呼ばれます。
「CARE〜」表記の紙パッチ
1970年頃より、紙パッチに「CARE INSTRUCTIONS INSIDE GARMENT」が印字されるようになります。
足長Rボタンの廃止
これまでは「R」の左側が長い「足長R」のフライボタンが使われていました。
1971年頃より、足長Rではない社名入りボタンに変わります。(というか戻ります。)
ちょっとややこしいですが、こんな感じです。
- 社名入りボタン:1927年〜1954年
- 足長Rボタン:1955年〜1970年
- 社名入りボタン:1971年以降
セルビッジ裏が両方シングルならビッグE
ビッグEとスモールeを判別する簡単な方法があります。
- セルビッジ裏が両方シングルステッチ:ビッグE
- セルビッジ裏が片方チェーンステッチ:スモールe
タブが欠損しているモデルでも年代判別が可能ですね。
補足:1973年は過渡期
1973年は、「ビッグE」と「スモールe」が混在する過渡期になります。
その他のディテール
- 不均等Vの両面ビッグEタブ
- セルビッジ有り
- 股カンヌキ有り
- 隠しリベット無しの裏カンヌキ
- 2本針のアーキュエイトステッチ
- 裏アルミ製の被せリベット
- フロント平行ステッチ
- ウォッチポケット裏チェーンステッチ
1970年〜1973年まとめ
- 「CARE〜」表記の紙パッチ→1970年以降
- 足長Rのフライボタン→1955年〜1970年
- 足長Rではないフライボタン→1971年以降
- セルビッジ裏が両方シングル→1973年以前
【1973年〜1976年】66前期
1973年〜1979年のリーバイス501は、通称「66モデル」と呼ばれます。
そのうち前半の1973年〜1976年頃の501を「66前期」と呼んで区別しています。
スモールeタブに変更
1973年頃より、赤タブの文字が「LEVI’S」から「LeVI’S」へ変わります。
小文字「e」が付く赤タブを「スモールe」と呼びます。
製造年月が分かるようになる
スレーキスタンプ
1973年より、スレーキ(フロントポケット裏地)に、縮み率(8%)や製造年が印字されるようになります。
この印字のことを「スレーキスタンプ」と呼びます。
写真の場合、
- 右側3つの数字の「5」が製造月
- 「3」が製造年の下一桁となり、
- 「1973年5月製」
と推定できます。
内タグ
1974年より、サイズや縮み率、製造年月などが表記された内タグが付くようになります。
このタグの場合、
- 間隔が空いた3つの数字の左側2つが製造年月となり、
- 写真の場合は「3」が製造月、
- 「4」が製造年の下一桁となり、
- 「1974年3月製」
と推定できます。
内タグの見方については「【リーバイス】内タグで製造年月を判別する方法【種類別の見方】」で詳しく解説しています。
バックポケット裏はシングルステッチ
「66前期」までは、バックポケット裏がシングルステッチで縫製されています。(※正確には1977年3月まで。)
1977年頃から、チェーンステッチへ変わります。
- バックポケット裏シングル:66前期
- バックポケット裏チェーン:66後期
セルビッジ裏が片方チェーンステッチに
1973年頃より、セルビッジ裏が「片方チェーンステッチ」に変わります。
- セルビッジ裏が両方シングルステッチ:ビッグE
- セルビッジ裏が片方チェーンステッチ:スモールe
ビッグEなのかスモールeなのか分からないとき、有効な判別手段です。
その他のディテール
- 「CARE〜」表記の紙パッチ
- 股カンヌキ
- 隠しリベット無しの裏カンヌキ
- 2本針のアーキュエイトステッチ
- 通常の社名入りフライボタン
- 裏アルミ製の被せリベット
- フロント平行ステッチ
- ウォッチポケット裏チェーンステッチ
1973年〜1976年まとめ
- スモールeタブ→1973年以降
- スレーキスタンプ有り→1973年のみ
- 内タグ有り→1974年以降
- バックポケット裏シングルステッチ→1976年以前
【1977年〜1979年】66後期
1973年〜1979年のリーバイス501は、通称「66モデル」と呼ばれます。
そのうち後半の1977年〜1979年頃の501を「66後期」と呼んで区別しています。
バックポケット裏チェーンステッチへ
1977年頃より、バックポケット裏がチェーンステッチになります。
「66前期」と「66後期」は、ここがシングルかチェーンかで区別をしています。
- バックポケット裏シングル:66前期
- バックポケット裏チェーン:66後期
「縮み率8%」は66後期まで
「縮み率8%」の表記がある内タグは、1979年頃までのディテールです。(※正確には1980年初頭まで存在。)
1980年頃からは、「縮み率10%」へ変わっていきます。
- 縮み率8%:66後期
- 縮み率10%:1980年以降
その他のディテール
- スモールeの赤タブ
- 「CARE〜」表記の紙パッチ
- セルビッジ有り
- 股カンヌキ
- 隠しリベット無しの裏カンヌキ
- 2本針のアーキュエイトステッチ
- 通常の社名入りフライボタン
- 裏アルミ製の被せリベット
- フロント平行ステッチ
- ウォッチポケット裏チェーンステッチ
1977年〜1979年まとめ
- バックポケット裏チェーンステッチ→1977年以降
- 縮み率8%→1979年以前
【1980年〜1986年】赤耳、脇割り、ハチマル
1980年〜1986年の”赤耳が付いた”リーバイス501は、通称「赤耳」と呼ばれます。
”赤耳が付かない”501は、「脇割り」と呼ばれます。
「赤耳」や「脇割り」をまとめて、1980年代の501すべてを「ハチマル」と呼んだりもします。
赤耳の廃止
1980年から徐々に、セルビッジ(赤耳)が付いたデニムが使われなくなっていきます。
1980年〜1986年は、赤耳廃止への移行期になります。
「脇割り」の登場
アウトシームにセルビッジが付かないデニムは、「脇割り」と呼ばれます。
補足:脇割りの糸の色
脇割りの糸の色は、年代によって変化があります。
- 1980年:白糸
- 1981年〜1983年頃:金糸(橙糸)
- 1983年頃〜:白糸
おもに上記となります。(※稀に例外あり)
表カンヌキへの移行
これまでバックポケットの留め方は、裏側から紺or黒の糸で補強する「裏カンヌキ」止めを採用していました。(※黒カンヌキとも呼ばれます。)
1982年頃より徐々に、表側から橙の糸で補強する「表カンヌキ」止めに切り替わっていきます。
- 裏カンヌキ:1966年〜1986年
- 表カンヌキ:1982年以降
縮み率10%へ
1980年より、内タグの表記が「縮み率10%」に変わります。
「66後期」と「1980年以降」を見分ける重要なポイントです。
- 縮み率8%:66後期
- 縮み率10%:1980年以降
補足:1980年〜1986年はディテールが混在
1980年〜1986年は移行期なので、「赤耳」「脇割り」「裏カンヌキ」「表カンヌキ」が混在しています。
もっと細かい年代が気になる方は、内タグで製造年月をチェックしてみましょう。
内タグの見方については「【リーバイス】内タグで製造年月を判別する方法【種類別の見方】」で詳しく解説しています。
その他のディテール
- スモールeタブ
- 「CARE〜」表記の紙パッチ
- 股カンヌキ
- 2本針のアーキュエイトステッチ
- 通常の社名入りフライボタン
- 裏アルミ製の被せリベット
- フロント平行ステッチ
- ウォッチポケット裏チェーンステッチ
- バックポケット裏チェーンステッチ
1980年〜1986年まとめ
- セルビッジ(赤耳)付き→1986年以前
- アウトシーム脇割り→1980年以降
- 裏カンヌキ→1966年〜1986年
- 表カンヌキ→1982年以降
- 縮み率10%→1980年以降
【1987年〜2003年】レギュラー
1987年には、「赤耳→脇割り」「裏カンヌキ→表カンヌキ」への移行が完了します。
そして、アメリカ国内の工場が次々に閉鎖していきます。
1987年〜2003年のリーバイス501は、通称「レギュラー」と呼ばれます。
しかし近年、レギュラー501の需要や価値は上昇しており、レギュラーと呼べなくなる日も近いでしょう。
リーバイス501のアメリカ製っていつまでなの?
2003年までだよ。
紙パッチのデザインの変化
1987年〜1988年
1987年頃より、「Care〜」の表記が赤文字に変わります。
1989年〜1992年
1989年頃より、ロットナンバーが赤文字になり、「501xx」と表記されるものが出てきます。
(※通常の「501」もあります。)
1993年〜2003年
1993年頃より、ロットナンバーが黒文字に戻ります。
この年代にも「501xx」と「501」の両方が存在しますが、両者のディテールに違いはありません。
内タグのデザインの変化
1985年〜1988年
1985年〜1988年の間は、文字のみの内タグが使われます。
1988年〜1994年
1988年〜1994年の間は、ロゴ入りの内タグが使われます。
1993年〜
1993年以降は、刺繍(ししゅう)の内タグが使われます。
※1993年〜1994年頃は、プリントと刺繍の両方が存在します。
リベットが銅製に
1992年頃までは、
- リベット表:鉄製の銅メッキ
- リベット裏:アルミ製
でしたが、1993年頃より、
- リベット表:銅製
- リベット裏:銅製
に変わります。
この年代も製造年月の判別が可能
内タグで製造年月の判別が可能です。
内タグの見方については「【リーバイス】内タグで製造年月を判別する方法【種類別の見方】」で詳しく解説しています。
その他のディテール
- スモールeタブ
- セルビッジ無しの脇割り
- 股カンヌキ
- 隠しリベット無しの表カンヌキ
- 2本針のアーキュエイトステッチ
- 通常の社名入りフライボタン
- フロント平行ステッチ
- ウォッチポケット裏チェーンステッチ
- バックポケット裏チェーンステッチ
1987年〜2003年まとめ
- 紙パッチの「Care〜」が赤文字→1987年以降
- 紙パッチのロットナンバーが赤文字→1989年〜1992年
- 紙パッチのロットナンバーが黒文字→1993年以降
- 文字のみの内タグ→1985年〜1988年
- ロゴ入りの内タグ→1988年〜1993年
- 刺繍の内タグ→1993年以降
- リベット表が鉄製の銅メッキ→1953年〜1992年
- リベット裏がアルミ製→1962年〜1992年
- リベット表裏が銅製→1993年以降
浅い年代のリーバイスも奥が深いです。
» 1980年代のリーバイス501をメルカリで探す
» 1990年代のリーバイス501をメルカリで探す
» 2000年代のリーバイス501をメルカリで探す
【2003年〜】USA製が終了
2003年にアメリカ国内の最後の工場(バレンシア工場)が閉鎖され、アメリカ製のリーバイス501はなくなります。
なんとなく「MADE IN USA」ってだけで聞こえが良いですよね。
アメリカンヴィンテージフリークにとっては特に…。
と、ここで朗報。
じつは、数年前からリーバイスはアメリカ製の501を販売しています。
この現行モデルは、
- MADE IN USA
- ビッグEタブ
- Vステッチ
- セルビッジ付き
という、ヴィンテージのディテールが詰まった、魅力的な仕様になっています。
気になる方はリーバイス公式サイトへどうぞ。
【最新版】リーバイス501年表
解説したディテールをつめこんだ「リーバイス501年表」を作りました。
150年以上の歴史があると、様々な変化がありますね。
年代判別の参考にどうぞ。
▼横スクロール可能です
年 | 赤タブ | パッチ | セルビッジ | バックポケットの留め方 | ウエスト | ウォッチポケット裏 | バックポケット裏 | アーキュエイトステッチ | ベルトループ | サスペンダーボタン | シンチ | 股リベット | バックポケットの数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1873-1900 | 無し | 革 | 有り | 銅製リベット | シングル | シングル | シングル | 1本針 | 無し | 有り | 有り | 有り | 1 |
1901-1921 | 無し | 革 | 有り | 銅製リベット | シングル | シングル | シングル | 1本針 | 無し | 有り | 有り | 有り | 2 |
1922-1935 | 無し | 革 | 有り | 銅製リベット | シングル | シングル | シングル | 1本針 | センターセット | 有り | 有り | 有り | 2 |
1936 | 片面ビッグE | 革 | 有り | 銅製リベット | シングル(V) | シングル | シングル | 1本針 | センターセット | 有り | 有り | 有り | 2 |
1937-1941 | 片面ビッグE | 革 | 有り | 銅製隠しリベット | シングル(V) | シングル | シングル | 1本針 | センターセット | 無し | 有り | 有り | 2 |
1942-1945 | 片面ビッグE | 革or紙 | 有り | 鉄製隠しリベット | シングル(V) | シングル | シングル | 1本針 | センターセット | 無し | 無し | 無し | 2 |
1946 | 片面ビッグE | 革or紙 | 有り | 鉄製隠しリベット | シングル(V) | シングル | シングル | 2本針 | センターセット | 無し | 無し | 無し | 2 |
1947-1952 | 片面ビッグE | 革 | 有り | 鉄製隠しリベット | シングル(V) | シングル | シングル | 2本針 | センターセット | 無し | 無し | 無し | 2 |
1953 | 両面ビッグE | 革 | 有り | 鉄製隠しリベット | シングル(V) | シングル | シングル | 2本針 | センターセット | 無し | 無し | 無し | 2 |
1954 | 両面ビッグE | 革 | 有り | 鉄製隠しリベット | シングル(V) | シングル | シングル | 2本針 | オフセット | 無し | 無し | 無し | 2 |
1955-1962 | 両面ビッグE | 紙(ギャラ入り) | 有り | 鉄製隠しリベット | シングル(V) | シングル | シングル | 2本針 | オフセット | 無し | 無し | 無し | 2 |
年 | 赤タブ | パッチ | セルビッジ(耳) | バックポケットの留め方 | ウエスト | ウォッチポケット裏 | バックポケット裏 | アーキュエイトステッチ | ベルトループ | サスペンダーボタン | シンチ | 股リベット | バックポケットの数 |
1962-1963 | 両面ビッグE | 紙(ギャラ無し) | 有り | 鉄製隠しリベット | シングル(V) | シングル | シングル | 2本針 | オフセット | 無し | 無し | 無し | 2 |
1964-1965 | 両面ビッグE | 紙(ギャラ無し) | 有り | 鉄製隠しリベット | シングル(V) | シングル | シングル | 2本針 | センターセット | 無し | 無し | 無し | 2 |
1966-1967 | 両面ビッグE | 紙(ダブルネーム) | 有り | 裏カンヌキ | シングル(V) | シングル | シングル | 2本針 | センターセット | 無し | 無し | 股カンヌキ | 2 |
1967 | 両面ビッグE | 紙(タイプ物) | 有り | 裏カンヌキ | シングル(V) | シングル | シングル | 2本針 | センターセット | 無し | 無し | 股カンヌキ | 2 |
1968 | 両面ビッグE | 紙(タイプ物) | 有り | 裏カンヌキ | シングル(V) | チェーン | シングル | 2本針 | センターセット | 無し | 無し | 股カンヌキ | 2 |
1969 | 両面ビッグE | 紙(タイプ物) | 有り | 裏カンヌキ | チェーン(平行) | チェーン | シングル | 2本針 | センターセット | 無し | 無し | 股カンヌキ | 2 |
1970-1973 | 両面ビッグE | 紙(CARE) | 有り | 裏カンヌキ | チェーン(平行) | チェーン | シングル | 2本針 | センターセット | 無し | 無し | 股カンヌキ | 2 |
1973-1976 | 両面スモールe | 紙(CARE) | 有り | 裏カンヌキ | チェーン(平行) | チェーン | シングル | 2本針 | センターセット | 無し | 無し | 股カンヌキ | 2 |
1977-1979 | 両面スモールe | 紙(CARE) | 有り | 裏カンヌキ | チェーン(平行) | チェーン | チェーン | 2本針 | センターセット | 無し | 無し | 股カンヌキ | 2 |
1980-1986 | 両面スモールe | 紙(CARE) | 有りor無し | 裏カンヌキor表カンヌキ | チェーン(平行) | チェーン | チェーン | 2本針 | センターセット | 無し | 無し | 股カンヌキ | 2 |
1987-2003 | 両面スモールe | 紙(Care) | 無し | 表カンヌキ | チェーン(平行) | チェーン | チェーン | 2本針 | センターセット | 無し | 無し | 股カンヌキ | 2 |
まとめ
この記事で紹介した復刻版と現行モデルは以下のとおり。
※未洗いのリジッドから穿き込みたい方は復刻版がオススメです。
なにせヴィンテージのデッドストックは超高価ですから。
詳しくは以下の記事で解説しています。
»【LVC】リーバイス501復刻版の種類【シルエット比較あり】
どうしてもヴィンテージにこだわりたい方は以下のサイトで探してみましょう。
この記事の参考書籍の中から、リーバイスやデニムが好きな方にオススメの本を紹介。
ヴィンテージデニムの教科書
よくあるムック本ですが、今のところこれが最新版。大きな写真付きでわかりやすいですよ。初心者向け。
501XXは誰が作ったのか?語られなかったリーバイス・ヒストリー
リーバイス社の歴史の真相に切り込んだ本。社史・工業史に近い内容で、リーバイスをより深く知りたい方にオススメ。上級者向け。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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