- 「LVCって何?」
- 「復刻版501の種類や選び方が知りたい」
- 「年代別のシルエットが知りたい」
こんな方へ向けて書いています。
「興味あるし、1本くらい持っておきたい」と思ってる方も多いかもしれません。
愛用していく大切なジーンズ、後悔しないように選びたいですよね。
筆者の僕は、現役の古着屋店員です。普段からデニムを穿き込むリーバイスフリークでもあります。
この記事でわかること
- 復刻版501の種類
- 年代別のシルエット比較
- サイズの選び方
この記事を読めば、あなたにとってベストな501が見つかり、穿き込みを楽しむ日々を送れますよ。
LVCとは?
リーバイス社が展開する、ヴィンテージのリーバイスを再現した復刻ラインです。
細かいディテールまで再現されており、ヴィンテージと比べるとお手頃価格なのがポイント。
コアなヴィンテージ好きにも、古着が苦手な方にもオススメです。
それでは、LVCによるリーバイス501の復刻モデルを年代順に紹介します。
[LVC] 501XX 1890モデル
通称「片ポケ」モデル。
ベルトループはなく、サスペンダーボタンとシンチが付いています。
当時は鉱山労働者のために作られていた、ワークスタイルのジーンズ。無骨なカッコ良さがありますね。
サスペンダーで吊るもよし、シンチで絞って穿くもよし。
オリジナルのヴィンテージは、世界中を探してもごくわずかしか残っていません。
「復刻でしか楽しめないジーンズ」の代表格でしょう。
サスペンダーで穿きたい方や、ワークスタイルがお好きな方にオススメ。
シルエット
- ルーズ&ストレート
- 太さレベル7/7:★★★★★★★
主なディテール
- バックポケットは1つ
- サスペンダーボタン付き
- シンチバック
- ベルトループなし
- 股リベット
- セルビッジ付き
定価:30,800円
ヴィンテージ参考価格:6,300,000円(MARVIN’S)
[LVC] 501XX 1937モデル
初めて赤タブが付いた、通称「37モデル」。
バックポケットは、剥き出しリベットから隠しリベットに変更されました。
サスペンダーボタンは廃止され、ベルトループとシンチが付いています。
表情豊かな「カモメステッチ」は、復刻とヴィンテージでしか味わえないディテール。
復刻モデルの中では太めで、ボックスシルエットのストレートレッグです。
シンチバックジーンズを体感したい方や、太めのシルエットが好きな方にオススメ。
シルエット
- ボックス&ストレート
- 太さレベル6/7:★★★★★★☆
主なディテール
- 片面ビッグEタブ
- 隠しリベット
- シンチバック
- ベルトループが付く
- サスペンダーボタンなし
- 股リベット
- セルビッジ付き
定価:30,800円
ヴィンテージ参考価格:3,300,000円(ACORN)
[LVC] 501XX 1944モデル(大戦モデル)
第二次世界大戦中だけの特別なディテールを備えた、通称「大戦モデル」。
ウォッチポケットのリベットは省略され、股リベットが廃止されます。
シンチがなくなり、ベルトループのみの近代的なスタイルに。
- 代替生地のスレーキ
- 月桂樹ボタン
- ペンキステッチ
といった、マニア垂涎のディテールが光る一品です。
大戦中ならではの特別なリーバイスを楽しみたい方にオススメ。
シルエット
- ストレート
- 太さレベル4/7:★★★★☆☆☆
主なディテール
- 片面ビッグEタブ
- 隠しリベット
- シンチなし
- ペンキステッチ
- 月桂樹&ドーナツボタン
- ストライプのスレーキ
- ウォッチポケットリベット省略
- 股リベットなし
- セルビッジ付き
定価:30,800円
ヴィンテージ参考価格:3,666,667円(Capri)
[LVC] 501XX 1947モデル
ジーンズの完成形と名高い、通称「47モデル」。
第二次世界大戦の物資統制が解除され、オリジナルボタンやウォッチポケットのリベットが復活しました。
アーキュエイトステッチは現代へと続く2本針のステッチングに進化。
片面タブが付く最後のモデルで、ヴィンテージ市場でもとくに高い人気を誇ります。
洗練され、スッキリとしたストレートシルエットです。
復刻モデルの中でも最もベーシックな501を穿きたい、という方にオススメ。
シルエット
- スリム&ストレート
- 太さレベル2/7:★★☆☆☆☆☆
主なディテール
- 片面ビッグEタブ
- 隠しリベット
- セルビッジ付き
定価:30,800円
ヴィンテージ参考価格:1,020,800円(Capri)
[LVC] 501ZXX 1954モデル
501のジッパーフライモデル「501ZXX」です。
1954年に発売され、生産期間は約12年と短め。
ヴィンテージ品は玉数が少なく、レアなロットナンバーとして人気が高い。
復刻モデルの中でいちばん細い、スリムフィットのテーパードレッグです。
ボタンフライが苦手な方や、細めのシルエットが好きな方にオススメ。
シルエット
- スリム&テーパード
- 太さレベル1/7:★☆☆☆☆☆☆☆
主なディテール
- 両面ビッグEタブ
- 隠しリベット
- セルビッジ付き
- ジッパーフライ
定価:30,800円
ヴィンテージ参考価格:1,099,978円(magnets)
[LVC] 501XX 1955モデル
紙パッチになった最初のモデル、通称「ギャラ入り」。
※ギャラ入り=パッチに「Every Garment Guaranteed」が印字されたモノ。
両面ビッグEタブが付きます。
マーロン・ブランドをはじめとした若者やバイカーが穿き始め、ファッションアイテムへと進化したジーンズ。
復刻モデルの中では太めで、ボックスシルエットのストレートレッグです。
バイカースタイルや、太めのシルエットが好きな方にオススメ。
シルエット
- ボックス&ストレート
- 太さレベル6/7:★★★★★★☆
主なディテール
- 両面ビッグEタブ
- ギャラ入り紙パッチ
- 隠しリベット
- セルビッジ付き
定価:30,800円
ヴィンテージ参考価格:547,800円(ACORN)
[LVC] 501 1966モデル
通称「ダブルネーム」と呼ばれるモデル。
紙パッチに「501XX 501」と印字されます。
生産期間が短く、希少なディテールです。
隠しリベットから、バータック(カンヌキ止め)へアップデートされました。
細すぎず太すぎず、標準的なテーパードシルエットです。
ダブルネームというレアな仕様を楽しみたい方にオススメ。
シルエット
- テーパード
- 太さレベル3/7:★★★☆☆☆☆
主なディテール
- 両面ビッグEタブ
- ダブルネームの紙パッチ
- バータック(カンヌキ止め)
- セルビッジ付き
定価:30,800円
ヴィンテージ参考価格:250,800円(ACORN)
リーバイス501現行モデル – MADE IN THE USA
「復刻は分かったけど、現行の501ってどうなの?」と思う方もいるかもしれません。
じつは、LVCの復刻品はブルガリア製またはトルコ製なのですが、現行501®はアメリカ製のモデルが販売されています。
それが「MADE IN THE USA 501®オリジナルフィット」です。
この現行501®は、
- ビッグEタブ
- Vステッチ
- セルビッジ付き
という、ヴィンテージのディテールを織り交ぜた、とても魅力的な仕様になっています。
シルエットは、標準的なレギュラーフィットのテーパードレッグ。
LVCの復刻品と比べるとお手頃価格なのもポイントで、アメリカ製にこだわりたい方にオススメ。
ちなみにこの現行モデルは、公式サイトにて無料の裾上げをしてもらえますよ。
定価:19,800円
年代別のシルエットを比較
一例として、各モデルごとの「ウエスト32インチと33インチ」の実寸サイズを書き起こしました。
以下の2つの表をご覧ください。
引用元:リーバイス公式サイト/単位:cm
W32インチ | 前股上 | ヒップ | 渡り幅 | 裾幅 |
1890モデル | 33 | 100 | 33.5 | 23 |
1937モデル | 31 | 106 | 32.5 | 22.5 |
1944モデル | 31 | 102 | 31 | 22 |
1947モデル | 30.5 | 100 | 31 | 20.5 |
1954モデル | 28 | 102 | 31.5 | 18.5 |
1955モデル | 31 | 102 | 33 | 21 |
1966モデル | 28.5 | 107 | 29.5 | 21 |
現行モデル | 29 | 110 | 30 | 21.5 |
W33インチ | 前股上 | ヒップ | 渡り幅 | 裾幅 |
1890モデル | 33.5 | 103 | 34.5 | 23 |
1937モデル | 32 | 108 | 33 | 23 |
1944モデル | 32 | 104 | 31.5 | 22 |
1947モデル | 31 | 102 | 31.5 | 20.5 |
1954モデル | 29 | 104 | 32 | 19 |
1955モデル | 32 | 104 | 34 | 22 |
1966モデル | 29 | 108 | 30 | 21 |
現行モデル | 29.5 | 113 | 31 | 22 |
まず、1890モデルがダントツで太めに作られているのが分かりますね。
二番目に太いのが、ほぼ同率で1937モデルと1955モデルです。
この3つはストレートシルエットで、ワーク・バイカーなど無骨なスタイルにオススメ。
いちばん細く作られているのは1954モデル。裾幅が狭く、かなりテーパードしているのが分かります。
二番目に細いのは、1947モデルでスリムフィットのストレート。
この2つは、きれいめ・ベーシックなスタイルにオススメ。
太さランキング
細さランキング
中間シルエット
シルエットで選ぶ際の参考にしてみてくださいね。
サイズの選び方について
もし「リジッド(未洗い)の501」を買おうと思っているなら、サイズ選びに注意しましょう。
リーバイス公式サイトのLVC501には次のように書かれています。
※目安として、通常27-36インチを購入されている方は2サイズUPをめどに、通常38インチ以上を購入されている方は3サイズUPを目途にお選び頂くことをおすすめしております。
最初の2回〜3回の洗濯で縮みが発生するため、普段のサイズよりも大きめで選ぶのが基本です。
また、乾燥機(タンブラー乾燥)を使うと、さらに縮んでしまう可能性があるので注意が必要です。
公式に記載はありませんが、レングス(股下)は約3インチほど縮みます。
洗濯前に裾上げをする場合、3インチ=7.62センチほど長めにすると良いでしょう。
サイズ選びのまとめ
- ウエスト26〜36インチは、2インチUP
- ウエスト38インチ以上は、3インチUP
- レングスは、3インチUP
デニムのウエストは、穿いていくと伸び、洗濯すると縮む、を繰り返します。
100%の正解はありませんが、迷ったら少し大きめを選んでおけばベルトを使って穿くことは可能です。
ちなみに、デニムには専用の洗剤が必須です。
デニム用の洗剤と洗い方について「【古着屋店員が選ぶ】デニム用洗剤おすすめランキング5選【比較】」にて詳しく解説しています。
まとめ
この記事で紹介したリーバイス501は以下のとおり。
ワーク、バイカー、アメカジ、キレカジ…色んな合わせ方が想像できますね。
お気に入りの1本をヴィンテージジーンズのように育て上げるのも、リジッド(未洗い)デニムの楽しみ方のひとつ。
ヒゲ、アタリなどのエイジングによる、毎日の変化を楽しんでいきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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