こんな経験ありませんか?
それは今使っている洗剤のせいです。
- 「なぜ普通の洗剤じゃダメなの?」
- 「色落ちしない洗剤なんてあるの?」
- 「結局デニムにはどの洗剤がベスト?」
こういった疑問に答えます。
筆者の僕は、現役の古着屋店員です。ヴィンテージやレプリカデニムを穿き込む日々を送っています。
「昨日まではあんなに濃い色だったのに…」と後悔してからでは遅いですよ。落ちてしまった色は戻りませんから。
かつては僕も、洗濯でデニムをガッツリ色落ちさせてしまった経験があります。
しかし、デニム用洗剤を使ってからは色落ちの心配をせず安心してデニムを洗濯できるようになりました。
そこでこの記事では、デニムに最適な洗剤をランキング形式で紹介します。
この記事を読めば、あなたの大切なデニムに合った洗剤が見つかり、安心してデニムを育てることができますよ。
- 「ナノコロイド|デニムウォッシュ ヴィンテージ」が最もおすすめ
その理由は本文で詳しく解説します。
デニム用洗剤を使うべき3つの理由
そもそも「なぜデニム用洗剤を使うべきなの?」という疑問に答えます。
- できるだけ色落ちさせたくない
- メリハリのある色落ちのデニムに育てたい
- 1つのデニムを長年愛用していきたい
この中の一つでも当てはまるなら、必ずデニム用洗剤を使いましょう。
理由は以下の3つです。
- 漂白剤と蛍光増白剤で白っぽくなるから
- 水洗いでニオイは落ちないから
- 洗わないと傷んで寿命が短くなるから
それぞれ解説していきます。
①漂白剤と蛍光増白剤で白っぽくなるから
いま使っている洗剤には、せっかくのインディゴデニムを色落ちさせてしまったり、白っぽくしてしまう成分が含まれている可能性があります。
その成分は以下の2つです。
- 漂白剤
- 蛍光増白剤
この2つについて少し深堀りします。
1.漂白剤とは?
汚れが落ちるのは良いことですが、デニムのインディゴも分解されて色落ちしてしまいます。
2.蛍光増白剤とは?
「それってデニムとは関係ないのでは?」と思うかもしれません。
じつは、デニム生地は、インディゴで染色されたタテ糸と、生成りのままのヨコ糸で織られています。
インディゴのタテ糸には影響ありませんが、生成りのヨコ糸の白さが強調され、デニム全体が白っぽく見えてしまう可能性があります。
この2つの成分のどちらかが入っていたら要注意です。
②水洗いでニオイは落ちないから
「洗剤の成分で色落ちするんだったら、洗剤を使わずに水洗いしよう」なんて思うかもしれません。
夏場など、汗や皮脂が溜まったデニムは、自分では気づかないかもしれませんが、異臭を放っている可能性があります。
軽い汚れなら水洗いで落ちますが、「皮脂汚れ」や「ニオイ」はそうかんたんには落ちません。
ニオイには気を使いたいものです。
③洗わないと傷んで寿命が短くなるから
デニムを洗わずに穿き込む「根性穿き」と呼ばれるエイジングの楽しみ方があります。
ヒゲやハチノスなどのアタリがくっきりと出て、濃淡がハッキリとした色落ちが期待できるといわれています。
なぜなら、皮脂汚れやニオイは溜まっていき、周囲にその存在感をあらわにするからです。
そのうえ皮脂汚れによってデニム生地が傷み、ダメージが出て、寿命が圧倒的に短くなる可能性があります。
せっかく買ったデニム、好みの色落ちにしたいからといって、穿けなくなってしまうのは元も子もないですよね。
いずれ洗う日が来ます。
結論:デニム用洗剤は使うべき
頻度に個人差はあれど、洗濯自体は必ずするはずです。
どうせ洗濯するならちゃんとした成分で作られたデニム用洗剤を使いましょう。
お気に入りのデニムや高価なデニムなら、なおさらですよね。
では、古着屋店員の僕が選んだデニム用洗剤の紹介です。
デニム用洗剤おすすめランキング5選
第1位:ナノコロイド|デニムウォッシュ ヴィンテージ
ヴィンテージデニムを忠実に再現する日本屈指のブランド「ウエアハウス」が推奨するデニム用洗剤。
皮脂汚れや不純物のみを取り除き、濃いインディゴを保ってくれる効果があります。
ヴィンテージデニムのような繊細になった繊維にも負担がかかりません。
色落ちさせたくない一本やヴィンテージジーンズにピッタリです。
ぶっちゃけ言うと、これ買っとけば間違いないです。
どこよりもヴィンテージデニムを研究するブランドが推してるんですから。
※そもそも良い色落ち=1960年代以前のヴィンテージデニムの色落ちを指すことが多いです。
価格は少し高めなので、洗濯頻度が低い方や、絶対失敗したくない方にオススメです。
主な特徴
- 石油系界面活性剤・蛍光剤・漂白剤は不使用
- 皮脂汚れや不純物のみを取り除く
- 濃いインディゴを保ってくれる効果
- 繊細な繊維にも負担がかからない
- オーガニック成分のため、洗浄後の排水の99%が自然にかえる
基本情報
税込価格 | 2,640円 |
内容量 | 500ml |
成分 | 水、大豆脂肪酸(大豆レシチン、大豆イソフラボン、αトコフェノール含む)、ヤシ脂肪酸、香料、精油 |
液性 | 弱アルカリ性 |
香り | フローラルの香り(ゴールドラベル) |
洗濯回数目安(水量30L) | 16.6回 |
洗濯1回あたりの値段 | 159円 |
使い方
デニムを裏返して「手洗いコース」で洗濯、もしくは一晩の浸け置き洗い。
※摩擦が気になる方はネットに入れて洗濯をしましょう。
評価
成分:★★★★★
コスパ:★★☆☆☆
第2位:桃太郎ジーンズ|ジーンズ用洗剤
国産デニムで有名な岡山のブランド「桃太郎ジーンズ」のデニム用洗剤。
水洗いに近い自然な風合いに洗い上がります。
こだわりが強いジーンズブランドの洗剤は、信頼性が高いですね。
洗剤の香りが気になる方にとっては、無香性なのもありがたいはず。
添加剤を使わず、植物由来の原料にこだわっており、特にデメリットは見当たりません。
ナノコロイドより安く済ませたい方にオススメです。
主な特徴
- 蛍光剤、漂白剤、柔軟剤などの添加剤は不使用
- 水洗いに近い風合いながら、皮脂などの油汚れは落とす
- 洗浄力をやや控えめにし、必要以上の色落ちを防ぐ
- 石油由来ではなく、植物由来の原料にこだわる
基本情報
税込価格 | 1,980円 |
内容量 | 800g |
成分 | 界面活性剤(19%ヤシ油脂肪酸アルカノールアミド、純石鹸分(ヤシ油脂肪酸カリウム)) |
液性 | 弱アルカリ性 |
香り | 無香性 |
洗濯回数目安(水量30L) | 26.6回 |
洗濯1回あたりの値段 | 74円 |
使い方
手洗いの場合:1リットルの水に対し1g
評価
成分:★★★★★
コスパ:★★★☆☆
第3位:Jウォッシャー ジーンズ用洗剤
「無香料・無着色・色落ちなし」と謳っているデニム用洗剤。
桃太郎ジーンズのデニム用洗剤に近い使用感です。
ただし、計量の際にキャップが小さく使いづらいといった口コミが目立ちます。
上位の桃太郎ジーンズの洗剤より、もう少し安く抑えたい方にオススメです。
主な特徴
- 蛍光増白剤は不使用
- 界面活性剤が極めて少ない(4.9%)
- 泡があまりでないのですすぎ簡単
- 油・ボールペンなど強力な汚れも落とす
基本情報
税込価格 | 2,020円 |
内容量 | 1000ml |
成分 | 界面活性剤4.9%、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメルチルアミド酢酸ベタイン |
液性 | 中性 |
香り | 無香性 |
洗濯回数目安(水量30L) | 33.3回 |
洗濯1回あたりの値段 | 61円 |
使い方
手洗いの場合:5リットルの水に対し5ml
評価
成分:★★★★☆
コスパ:★★★★☆
第4位:ゼブラ|ゼブラ ブラック
色落ち防止剤として「酢酸」を配合しており、「色は落とさず、汚れを落とす」デニム用洗剤です。
”黒および濃色衣料”専用のため、黒系の服が多い方にもオススメ。
メリットとして、1回の洗濯(30L)でたったの5mlしか使いません。
そのため、コンパクトなサイズ感で、置き場所にも困りません。
とにかくコスパ重視の方にオススメです。
デメリットとして、柔軟剤入りなのが少し気になるところ。
硬いまま穿いてシワやアタリをつけたい方にはオススメしません。
主な特徴
- 無蛍光、ノンシリコン
- 界面活性剤の衣類への残留が極めて少ない
- 食酢に含まれる成分「酢酸」による色落ち防止
- 酢酸の効果でさらに雑菌の繁殖も抑制
基本情報
税込価格 | 1,650円 |
内容量 | 150ml |
成分 | 界面活性剤7%[陽イオン系界面活性剤、ベタイン系]、生分解性金属 イオン封鎖剤、色落ち防止剤(酢酸) |
液性 | 中性 |
香り | – |
洗濯回数目安(水量30L) | 30回 |
洗濯1回あたりの値段 | 55円 |
使い方
評価
成分:★★★☆☆
コスパ:★★★★★
第5位:フレディレック|デニムソークウォッシュ
ベルリンと東京にあるカフェ&コインランドリー「フレディレック・ウォッシュサロン」が開発。
「色落ちを抑え、やさしく洗い上げられる」手洗い・つけ置き洗い用のデニム用洗剤です。
さわやかなユーカリの香りも心地良いですよ。
手洗い・つけ置き洗い派の方にオススメです。
デメリットとして、上位のゼブラブラックと同様に柔軟剤入り。
硬いまま穿いてシワやアタリをつけたい方にはオススメしません。
主な特徴
- 漂白剤・蛍光増白剤は不使用
- 手洗い・つけ置き洗い用
基本情報
税込価格 | 1,650円 |
内容量 | 300ml |
成分 | 界面活性剤(11% ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルポリグルコシド)、柔軟成分、香料、増粘剤、安定化剤、サトウキビエキス |
液性 | 中性 |
香り | ユーカリの香り |
洗濯回数目安(水量8L) | 37.5回 |
洗濯1回あたりの値段 | 44円 |
使い方
- タブに溜めた水8Lに対し8mlを入れる
- デニムを裏返して入れる
- 数回押し洗いし、30分間つけ置きする
- 水でよくすすぎ、脱水をする
- 裏返しのまま形を整え、日陰で吊り干し乾燥
↓使い方の動画です
ウォッシュタブも一緒にどうぞ
同ブランドが販売しているウォッシュタブ。
おしゃれで使いやすいと評判です。
洗剤とセットで使うと気分も上がりますよ。
評価
成分:★★★☆☆
コスパ:★★★★★
番外編:エマールとアクロンってどうなの?
結論から言うと、使っても大丈夫です。
生地への負担が少ない成分で作られており、ある程度デニムの色落ちを抑えることができます。
もちろん、こだわる方にはデニム用洗剤をオススメしますが、エマールとアクロンは他の衣類にも幅広く使えるのが嬉しいポイントです。
花王|エマール
やさしい香り立ちや洗い上がりが特徴。
漂白剤や蛍光増白剤は無配合。
すすぎは2回が推奨です。
伸び・ヨレを整え、シワ・毛玉・縮み・色あせを防ぐ効果があります。
成分 | 界面活性剤[21%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル]、安定化剤 |
液性 | 中性 |
香り | ほのかなリフレッシュグリーンの香り |
洗濯回数目安(水量30L) | 12.5回 |
LION|アクロン
エマールと異なる点として、すすぎ1回で済むのがポイント。
蛍光増白剤は無配合。
型崩れ・縮み、毛玉、シワ、色あせを防いでくれます。
成分 | 界面活性剤(21% ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、安定化剤、柔軟化剤 |
液性 | 中性 |
香り | ナチュラルソープの香り |
洗濯回数目安(水量30L) | 11回 |
備考:筆者が「ランドレス|デニムウォッシュ」を選ばない理由
わりと人気が高く、他の記事では紹介されていますが、僕はオススメしません。
理由は以下のとおり。
- 漂白剤入り→色落ちしてしまう
- 柔軟剤入り→硬いまま穿いてシワやアタリをつけたい人には不向き
デニムウォッシュと謳っている商品ですが、成分や界面活性剤の割合が少し気になります。
柔軟剤と漂白剤が入っていることから、エマールやアクロンよりもデニムに適していないと思います。
個人的にはオススメしません。
成分 | 界面活性剤(33%、ラウレス硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ラウリルグルコシド)、水軟化剤、安定剤、アルカリ剤、増粘剤、漂白剤、酵素、香料 |
液性 | 弱アルカリ性 |
デニムの正しい洗い方
まず前提として、色移り防止のため、他の衣類と一緒にせず、デニム単体で洗うことを覚えておきましょう。
洗濯機の場合
- 「ソフトコース」でスイッチオン※
- 洗濯槽に水が溜まってきたら洗剤を入れる
- デニムを裏返し、洗濯ネットに入れて投入
- 脱水まで終わったら裏返したまま形を整える
- 風通しの良い場所で陰干し
※名称は違っても「手洗いコース」「オシャレ着コース」などのやさしいコースならOK。
色落ちを抑えるために、時間(洗い・すすぎ・脱水)は、できるだけ短く設定しよう。
手洗いの場合
- タブに水を溜めて洗剤を入れる
- デニムを裏返して入れる
- 数回押し洗いし、30分間つけ置きする
- 3回ほど水を替えて泡がなくなるまですすぐ
- 洗濯機で1分ほど脱水
- 裏返しのまま形を整え、日陰で吊り干し乾燥
デニム用洗剤で、安心してデニムを洗おう
この記事で紹介したデニム用洗剤は以下のとおり。
- 第1位:ナノコロイド|デニムウォッシュ ヴィンテージ
- 第2位:桃太郎ジーンズ|ジーンズ用洗剤
- 第3位:Jウォッシャー ジーンズ専用洗剤
- 第4位:ゼブラ|ゼブラブラック
- 第5位:フレディレック|デニムソークウォッシュ
- 番外編:花王|エマール
- 番外編:LION|アクロン
くれぐれも他の洗剤で大きく色落ちさせてしまい、後悔することがないようにしましょう。
これから育てるジーンズをお探しの方は「【LVC】リーバイス501復刻版の種類【シルエット比較あり】」へどうぞ。
※ジーンズの生みの親(リーバイス)の復刻版は、最高ですよ。